「金山拓平という漢」
金山拓平は「SUNSET CRAFTSMAN CO.」というバッグブランドの職人である。金山はデザイナーという肩書を嫌うというよりもピンとこないようだ。曰く「ワシは鞄をデザインしたことはない、元々キャンバスにペンキを塗るという手法は、古着のディーラーをしていた時に見た古いミリタリーバッグからヒントを貰った。ワシの考えるデザイナー言うんはゼロからモノを作れる人間のことを指す」との理由らしい。
素材も形もいたってシンプル。地元倉敷で織られた倉敷帆布とレザーとペンキ、基本的にはこの3つと、副資材で使用する補強用のリベットとブランドネームを入れるプレートに使う真鍮と銅のシート。これらを使って一人で全ての工程を手作業で行っている。ミシン以外の機械を使用せず、レザーやプレートの切り出しから、プレートに打ち込む文字も全て手作業で行っている。
基本的にカラーはお客さんに任せている。通常デザイナーと呼ばれる方たちはカラーも自ら決定して、デザインの一部とするのだろう。ある意味お客さんに任せるというのは無責任なのかもしれない。しかし彼はあくまでも職人というスタンスに重きを置いている。月並みな表現だが「丈夫で長持ち、愛着の湧く」そんな良いモノと呼ばれるモノ作りを真摯に取り組んでいるのである。金山の中では視覚的な色に関してはお客さんが選んだほうが「楽しいでしょ?」という考えなのである。見た目の色は金山の基準では良いモノの判断にはならないのである。
帆布にペンキとい発想は元々ミリタリーのバッグにあったのかも知れない。だがそこから「SUNSET CRAFTSMAN CO.」という唯一無二な鞄に昇華させたことは紛れもない事実である。昨今ではキャンバスにペンキを塗ったバッグは他でも見かけるがオリジナルはここにあります。
SOCでは毎シーズン別注をお願いしていますが、毎回無理な要望を依頼しても必ず要望以上のモノを仕上げてきてくれます。毎回サンプルの納品が楽しみで仕方ありません。
インターネットなるものに強いアレルギーを感じていた金山が今回のHPリニューアルに伴い
COLUMNに参加してくれることになりました。まだ一度もUPしていませんが内容が楽しみです。
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