- 【CLUTCH Magazine Vol.95】
- “ORE TO MONO Vol.37&rdqu.....
デニムのディテールについて。
ブランド立ち上げ当時デニムを作る上で一本針折伏せ縫いの縫製は外せない仕様でした。
18世紀末に誕生したデニムパンツのデザインは1900年代初頭にはほぼ完成され、シルエットの違いはありますが見ための仕様としては現在流通しているデニムとほとんど変わりはありません。大きな違いとして生地と縫製。特に縫製に関しても生地同様に全体の印象を決める大きな要素になります。1920年代以前は巻き縫いの仕様ではなく一本針で縫製されており、今で考えると非効率な作りをしているからこそ出来上がるクラフト感のある雰囲気があります。
当時の良いところを取り入れた新しいモノ、そしてこの先10年20年着ることが出来る定番となるデニムを目指し作り始めました。
1900年代のデニム黎明期には巻き縫いの技術がなくワークパンツであったデニムの縫製は股ぐりやヨークといった負荷のかかる箇所は折伏せ縫いにステッチを入れることで補強していました。その後巻き縫いの技術が発達し二本針のチェーンステッチで効率的かつ均一な幅でステッチを入れることが可能となり、現代でもデニムの縫製はチェーンステッチが主流でわざわざ手間とコストのかかる折伏せ縫いで縫う工場はほとんどありません。しかし、当時の雰囲気を出すためには生地同様に同じ縫製でなければ表現出来ない重要な要素と考え、岡山にある縫製工場の協力により1920年代以前の縫製方法を再現してもらったことにより、ブランド立ち上げ当時(2005年)はどこもやっていなかったデニムが完成しました。
裏は地縫いが隠れているためステッチが一本だけ見えます。
表のステッチ幅は通常(二本針)のモノに比べ狭くなります。
このステッチ幅が違うだけで全体の印象が大きく変わります。
ヴィンテージでもごく希にポケットがアール状のモノがありますが、
ベルトループまで曲線のものは見ないディテールです。
直線のモノに比べ手間と技術を要しますが経年変化で生地がヤレてくるとより雰囲気が出る箇所になります。
ベルトループはカンヌキではなく一本針の「Z縫い」で補強しています。
打ち抜きリベットはプレーンのモノとスターの刻印が入るタイプをモデルによって変えています。
ブランド立ち上げ当時から岡山県倉敷市で織っているオリジナルの14oz生デニムを使用しています。
ジンバブエコットンを手摘みした糸をロープ染色でインディゴに染、旧式の力織機で織った生デニムになります。
ワンウォッシュで8%程度の縮みが出ます。緑がかった色落ちが特徴です。
【STOCKIST】